店舗・年月ごとの売上実績を集計する

最終更新: 2026.07.27

店舗・年月ごとの売上実績を集計する

店舗日報」アプリ(※2026年07月時点)に登録されているレコードから、「店舗」と「年月」ごとにグループ化し、それぞれの「売上合計」「お客様数合計」「営業日数(レコード件数)」、および日々の売上のバラつき(安定性)を測るための「売上標準偏差」を自動集計し、「店舗・年月別売上集計」アプリに出力するデータフローの作成方法について説明します。

大量の明細レコードを店舗別かつ月別という単位でグループ化し、売上や客数の合算、営業日数のカウント、さらには母標準偏差の算出を同時に行う設定手順について解説します。
※「母標準偏差」は、店舗ごとの日々の売上の「バラつき(安定性)」などを統計的に測る指標です。標準偏差が小さいほど日々の売上が安定しており、大きいほど売上の波が激しい(イベントなどで売上が大きく跳ねている、あるいは変動が大きい等)と判断できます。単なる合計値だけでは見えない「店舗運営の安定度」や「需要のブレ幅」を評価するのに非常に役立ちます。


レシピで使用するサンプルファイル

本レシピの設定をすぐに再現して試すためのサンプルファイルです。以下のリンクからダウンロードしてご利用いただけます。


設定のイメージ

「店舗日報」アプリに登録されているレコードから、店舗および年月(月次)ごとにレコードをグループ化して集計します。

  • 年月: 「日付」フィールドから「年」と「月」を結合して「2026年03月」のような表記を作成します。
  • 店舗: 日報が登録された店舗名(「日本橋店」など)を管理します。
  • 売上合計: 店舗および年月ごとの売上金額を合算します。
  • お客様数合計: 店舗および年月ごとの来店お客様数を合算します。
  • 営業日数: 店舗および年月ごとの営業日数(レコード件数)をカウントします。
  • 売上標準偏差: 店舗および年月ごとの日々の売上のバラつきを母標準偏差として算出します。

集計されたレコードは、データフローの実行によって「店舗・年月別売上集計」アプリへ自動的に書き出されます。

データフロー全体の構成


事前準備

他で作った「店舗日報」アプリがある場合は、そのアプリとインポート済みのデータをそのまま使用できます。
アプリがない場合または別途作成する場合は、新しく「店舗日報」アプリを作成してサンプルCSVデータをインポートします。

1. 入力元:「店舗日報」アプリ

日々の店舗売上や客数、業務連絡などを登録しておくアプリです。
手動で必要なフィールドを配置して作成するか、
kintoneのサンプルアプリの 店舗日報(※2026年07月時点)を追加して使用します。

  • 日付(日付フィールド)
  • 店舗(ドロップダウンフィールド ※選択肢は 日本橋店 / 飯田橋店 / 水道橋店)
  • 天気(チェックボックスフィールド ※選択肢は 晴れ / 曇り / 雨)
  • 予算(数値フィールド)
  • 売上(数値フィールド)
  • お客様数(数値フィールド)
  • 引継ぎ事項(文字列複数行フィールド)
  • その他連絡事項(文字列複数行フィールド)
サンプルCSVのインポート方法
  • 新しく作成する場合:
    「店舗日報」アプリを新規に作成し、ダウンロードした 「店舗日報のサンプルデータ(CSV)」 をアプリにインポートします。
  • 他で作ったアプリをそのまま使用する場合:
    すでにkintone上に「店舗日報」アプリが存在し、データの登録が完了している場合は、新たなアプリ作成やCSVデータのインポート作業は不要です。


CSVインポート時のプレビュー文字化けについて
ダウンロードしたCSVファイルは 「UTF-8」 で保存されていますが、kintoneの読み込み画面でファイルを選択した際、初期状態では文字コードに「Shift-JIS」が選択されてプレビューが文字化けすることがあります。
その場合は、読み込み画面の「文字コード」の設定項目で 「UTF-8(Unicode)」 を選択してから読み込んでください。

2. 出力先:「店舗・年月別売上集計」アプリ

店舗および年月ごとに集計された結果を格納するためのアプリです。
ダウンロードした 「店舗・年月別売上集計のアプリテンプレート(ZIP)」 を以下の手順でkintoneに読み込んで作成します。

  1. kintoneのポータル画面(またはスペース内)のアプリの右側にある「+」アイコンをクリック、または「アプリを追加」をクリックします。
  2. アプリ作成の選択肢から「テンプレートファイルを読み込んで作成」をクリックします。
  3. 「参照」ボタンから、ダウンロードした 店舗・年月別売上集計.zip を選択します。
  4. 「アプリを作成」をクリックすると、「店舗・年月別売上集計」アプリが自動的に作成されます。

※手動で「はじめから作成」する場合は、以下のフィールドを配置して作成します。

  • 年月(文字列(1行)フィールド)
  • 店舗(文字列(1行)フィールド)
  • 売上合計(数値フィールド)
  • お客様数合計(数値フィールド)
  • 営業日数(数値フィールド)
  • 売上標準偏差(数値フィールド)

データフローの設定手順


プラグインの追加やジョブの登録などの基本操作については、ジョブと実行契機管理の概要 を参照してください。

「店舗日報」アプリの「店舗・年月別売上集計」用のジョブ(契機:一覧画面の実行ボタン押下)からデータフロー編集画面を開き、パレットから必要なノードをキャンバスに配置し、接続線で繋いでいきます。

ステップ 1:「アプリ入力」を設定する

「店舗日報」アプリからレコードを読み込むための設定を行います。

  1. キャンバス上の 「アプリ入力」 をクリックして設定パネルを開きます。
  2. 「アプリ」 で、入力元となる 「店舗日報」 アプリを選択します(※アプリを選択すると、自動的にそのアプリ名が表示名に設定されます)。
  3. 「使用するフィールドの選択」 で、以下の集計で使用するフィールドを追加します。
    • 日付
    • 店舗
    • 売上
    • お客様数
  4. 設定が完了したら、設定パネル右上の「✕(閉じる)」ボタンをクリックして、パネルを閉じます。

アプリ入力設定


ステップ 2:「データ変換(年月算出)」を設定する

日付フィールドから「年月」の新規フィールドを計算によって作成します。

  1. キャンバス上に 「データ変換」 プロセッサーを配置し、「アプリ入力」 と接続線で繋ぎます。
  2. 配置した 「データ変換」 プロセッサーをクリックして設定パネルを開きます。
  3. 設定パネル上部の 「表示名」「年月算出」 に変更します(表示名を変更しておくことで、フローが複雑になっても判別しやすくなります)。
  4. 「変換するフィールド」「新規フィールドを作成」 を選択し、以下のフィールドを設定します。
    • 設定(年月):
      • 新規フィールド名: 年月
      • 変換方法: 数式
      • 変換内容: CONCAT(YEAR(日付), "年", TEXT(MONTH(日付), "00"), "月")
  5. 設定が完了したら、設定パネル右上の「✕(閉じる)」ボタンをクリックして、パネルを閉じます。

データ変換設定


ステップ 3:「グループ集計(店舗・年月別合計算出)」を設定する

「年月」と「店舗」ごとにレコードをグループ化し、売上合計、お客様数合計、営業日数、および売上のバラつき(標準偏差)を集計するための設定を行います。

  1. キャンバス上に 「グループ集計」 プロセッサーを配置し、ステップ2で作成した 「データ変換」 と接続線で繋ぎます。
  2. 配置した 「グループ集計」 プロセッサーをクリックして設定パネルを開きます。
  3. 設定パネル上部の 「表示名」「店舗・年月別合計算出」 に変更します。
  4. 「グループ化するフィールド」 で、集計の基準となる以下の2項目を指定します。
    • 年月
    • 店舗
  5. 「集計設定」 で、集計方法を以下のように4件追加します。
    • 1件目の集計設定(売上合計の算出):
      • フィールドを選択: 売上
      • 集計結果のフィールド名: 売上合計
      • 集計方法: 合計
    • 2件目の集計設定(お客様数合計の算出):
      • フィールドを選択: お客様数
      • 集計結果のフィールド名: お客様数合計
      • 集計方法: 合計
    • 3件目の集計設定(営業日数のカウント):
      • フィールドを選択: 日付
      • 集計結果のフィールド名: 営業日数
      • 集計方法: 個数
      • カウント方法: 標準 (NULL除く)
    • 4件目の集計設定(売上標準偏差の算出):
      • フィールドを選択: 売上
      • 集計結果のフィールド名: 売上標準偏差
      • 集計方法: 母標準偏差
  6. 設定が完了したら、設定パネル右上の「✕(閉じる)」ボタンをクリックして、パネルを閉じます。

グループ集計設定


ステップ 4:「アプリ出力(店舗・年月別売上集計)」を設定する

集計結果を「店舗・年月別売上集計」アプリに書き出すための設定を行います。

  1. キャンバス上に 「アプリ出力」 プロセッサーを配置し、ステップ3で作成した 「グループ集計」 と接続線で繋ぎます。
  2. 配置した 「アプリ出力」 プロセッサーをクリックして設定パネルを開きます。
  3. 「出力先アプリ」 セクションで 「既存アプリから選択」 を選び、「アプリを選択」 ボタン等から作成済みの 「店舗・年月別売上集計」 アプリを選択します(※アプリを選択すると、自動的にそのアプリ名が表示名に設定されます)。
  4. 「出力方法」「更新および追加」 を選択します。
  5. 「フィールド」 で、「出力フィールド」(出力先アプリのフィールド)と「入力フィールド」(データフロー内のレコード)を以下のように紐付けます。
    • 「出力フィールド」の レコード番号 ➡ 「入力フィールド」の (指定しない)
    • 「出力フィールド」の 年月 ➡ 「入力フィールド」の 年月
    • 「出力フィールド」の 店舗 ➡ 「入力フィールド」の 店舗
    • 「出力フィールド」の 営業日数 ➡ 「入力フィールド」の 営業日数
    • 「出力フィールド」の 売上合計 ➡ 「入力フィールド」の 売上合計
    • 「出力フィールド」の お客様数合計 ➡ 「入力フィールド」の お客様数合計
    • 「出力フィールド」の 売上標準偏差 ➡ 「入力フィールド」の 売上標準偏差
  6. 「フィールド」「更新キー」「年月」「店舗」 を選択します。
  7. 設定が完了したら、設定パネル右上の「✕(閉じる)」ボタンをクリックして、パネルを閉じます。

アプリ出力設定


実行と結果の確認

  1. 設定完了後、フロー編集画面の右上にある 「設定して戻る」 ボタンをクリックして、データフローの設定を保存します。
  2. アプリのデータフロー設定画面等から対象の ジョブ の実行ボタンをクリック、またはスケジュールされたタイミングでジョブを実行します。
    (ジョブの詳細な実行方法については、ジョブと実行契機管理の概要 を参照してください)

処理が成功すると、出力先の「店舗・年月別売上集計」アプリに、店舗別かつ年月別の集計レコードが自動的に作成・更新されます。

出力アプリの表示イメージ

※先頭10件

年月 店舗 営業日数 売上合計 お客様数合計 売上標準偏差
2026年03月 飯田橋店 9 日 1,132,000 千円 376 人 16,430.174 千円
2026年03月 日本橋店 9 日 1,393,000 千円 457 人 24,201.8263 千円
2026年02月 飯田橋店 8 日 990,000 千円 333 人 14,754.2367 千円
2026年02月 日本橋店 8 日 1,242,000 千円 409 人 21,913.181 千円
2026年01月 飯田橋店 9 日 1,133,000 千円 381 人 31,189.1877 千円
2026年01月 日本橋店 9 日 1,396,000 千円 457 人 36,118.4608 千円
2025年12月 飯田橋店 9 日 1,106,000 千円 374 人 14,880.5947 千円
2025年12月 日本橋店 9 日 1,373,000 千円 451 人 21,344.3259 千円
2025年11月 飯田橋店 8 日 937,000 千円 329 人 14,057.3602 千円
2025年11月 日本橋店 8 日 1,203,000 千円 399 人 24,560.8301 千円

実行結果画面


レシピをあなたの手でカスタムしてみよう!

本レシピで作成したデータフローは、少し手を加えるだけで、さらに高度な分析データを自動計算できるようになります。
「応用問題」にぜひチャレンジしてみてください。

チャレンジ1:「客単価」を求める

店舗・年月ごとの 「客単価」 を算出し、出力先アプリに登録してみましょう。

  • ヒント: 売上合計お客様数合計 で割ることで求めることができます。
  • 効果:
    店舗ごとの販売効率や、顧客の購買意欲などをよりクリアに可視化できます。

チャレンジ2:1日あたりの「売上平均」を求める

年月内の店舗の 1日あたりの「売上平均」 を算出し、出力先アプリに登録してみましょう。

  • ヒント: 売上合計営業日数 で割ることで求めることができます。
  • 効果:
    ここまでの「売上標準偏差」と、この「売上平均」を組み合わせることで、「日々の売上平均に対して、どれだけ売上にブレがあるか」が統計的に把握でき、仕入れの最適化や予算計画、日々の経理の売上シミュレーションを行いやすくなります。

答えに迷ったら?

設定方法や数式の使い方、プロセッサーの組み合わせ方に迷った場合は、以下から手がかりを探してみましょう!

  • マニュアルや他のレシピをヒントにする:
    数式の解説ページや他のTips・レシピを参考にしてみてください。
  • kinkozi ブログでテクニックを探す:
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